「あれだけジャズが弾けるならクラシックでも余裕で弾けるはず」と周囲の人なら思ってしまうこともありがちですが、
実際にはジャズピアニストとクラシックのピアノ奏者では脳の使い方が微妙に異なっていることが、研究によって明らかになっています。
(略)…ジャズとクラシックのプロピアニストが実際に音楽を演奏する時の脳の働きを科学的に調査することで、
たとえ同じ楽譜を渡されて演奏している時であっても両者の脳では演奏の際に脳が見せる反応が違うことが明らかにされています。
研究には、30人のピアニストが招かれており、半数は2年以上の経歴を持つプロのジャズピアニスト、
残る半数は同等のプロのクラシックのプロピアニストが選ばれています。
各ピアニストは、ピアノの鍵盤の上におかれた画面に表示される鍵盤と手の動きを見て、その動きを追うことが求められました。
画面の演奏にはいくつかのミスがちりばめられていますが、ピアニストはそれでも画面を追うように指示されており、
頭部に付けた電気センサーで脳の働きが計測されています。なおこの時、外部の邪魔な音や情報を遮断するために、
ピアノはミュートされた無音状態に設定されています。
その結果明らかになったのは、両スタイルのピアニストの間では、演奏する時の指の動きを計画する考え方だったとのこと。
ピアノを演奏する際には、スタイルにかかわらず、ピアニストは原則としてこれから演奏しようとしていることを把握している
必要があります。そしてこれは、「どの鍵盤を押さえるか」ということと、「どのように指を動かすか」という2つが含まれます。
研究からは、クラシックのピアニストは主に「指の動かし方」に意識を集中していることが判明。
クラシックでは主に楽譜を正しく演奏し、その上で個人的な表現を加えることが正しいとされているために、
まずは指を正しく動かしてミスのない演奏をすることに主眼が置かれるということを意味しています。
一方、ジャズピアニストは主に「何を演奏するか」を念頭において演奏していることがわかっています。
特に自由度が高いジャズという世界では、他のプレーヤーの演奏に自分をあわせることや、時には自分一人の演奏で
あってもその時の空気などによって演奏内容を変化させる必要があります。ジャズピアニストは脳の力を「演奏の柔軟性」に
使っているとのことで、論文の主執筆者であるロバータ・ビアンコ氏は「実際に、ジャズのピアニストでは、
ピアノの演奏時に柔軟的に和音を計画している神経の動きが見つかりました」と述べています。
ビアンコ氏は、両者の脳の違いについて「スタンダートなコード進行の中で予期されない和音を演奏させた時、
彼らの脳はクラシックのピアニストよりも素早く演奏を再計画しはじめました。
したがって、ジャズピアニストは変化に効果的に反応してパフォーマンスを継続することができました」と述べています。
そして興味深いことに、クラシックのピアニストは、珍しい運指に従う場合にジャズのピアニストよりも優れた
パフォーマンスを示しました。
これらのケースでは、脳が運指をより強く認識し、その結果、ミスを犯すことが少なくなったことがわかっています。
(以下略)
gigazine/1月17日
https://gigazine.net/news/20180117-pianist-brain-jazz-classical/
「アドリブ」と「正確に演奏すること」が演者にとってどう違うのか、
楽器からっきしの人間にも(うっすら)わかるように
具体的に書かれていてとっても面白い。
絶対音感だっけか。
音楽の才能は、からっきし無いがそういった人は、掛け値なしの天才だと思う。
同じ「ジャズ」でも色々あるからなぁ
それこそアドリブの譜面があるなんてことも
そりゃそうでしょ、としか言えない研究結果だなぁ・・・
そういうものなのかとしか
「驚かせよう/楽しもう」
クラシック系の奏者は
「いい演奏をしよう」
てなイメージはあるな
譜面通り正確に弾くこと心がけてるから、クラシック派だったようだ