20日午後2時ごろ、奈良市の興福寺で「仏像などに液体がかけられている」と警察に被害の届けがありました。
警察が調べたところ、興福寺の境内にある国宝館に保管されている国宝の「華原磬」という奈良時代の楽器や、国宝「千手観音菩薩立像」の台座、
それに、東金堂にある国宝の「持国天像」の台座など5点に液体が付着しているのが見つかったということです。
警察によりますと液体は無色、透明で、いずれの仏像も見学者が立ち入ることができる場所の近くにあり、20日午前9時に寺の関係者が見回ったときには異常はなかったということです。
警察は、何者かが意図的に液体をかけたとみて、文化財保護法違反などの疑いで詳しい状況や液体の成分などを調べています。
国宝館など拝観中止
興福寺のホームページによりますと、仏像などに液体が付着しているのが見つかった「国宝館」と「東金堂」では20日午後から拝観を中止しています。21日も「国宝館」と「東金堂」では拝観を中止するとしています。
文化財への液体被害 過去に相次ぐ
寺や神社で仏像などの文化財に液体がかけられる被害は、去年の3月から5月にかけて奈良県や京都府、それに千葉県など16の都府県の48の寺や神社で相次ぎました。
奈良県内では、奈良市の東大寺や桜井市の長谷寺など全国の都道府県で最も多い、19の寺や神社が被害を受けましたが、当時、興福寺では被害はありませんでした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161120/k10010776531000.html