このところ、民進党の山尾志桜里政調会長と鳩山由紀夫元首相とがどうにも重なって見える。
山尾氏は6日の記者会見で、支部長を務める愛知県内の政党支部が
プリペイドカードで不自然に多額のガソリン代を支出していた問題について、
明確な根拠は何一つ示さないままこう釈明した。
「(会計担当だった)元秘書が関与している蓋然性が高い」
「監督が至らず申し訳ない」
山尾氏は、甘利明前経済再生担当相の秘書による不祥事を追及し、議員辞職を求めた際には、
「秘書のやったことについて、本人の責任が免れるわけではない」と繰り返し強調していた。
にもかかわらず、自らはあっけらかんと続投を宣言したのである。
多数の「故人」から献金を受けるという政治資金収支報告書の虚偽記載事件をめぐり、
「すべて会計実務担当秘書の独断だ」として秘書のせいにした鳩山氏と、まるでそっくりな言い分ではないか。
鳩山氏も、自身の問題が発覚するまでは平然と次のように語っていたことを連想する。
「言うまでもなく、秘書の罪は国会議員の罪である。ことに金庫番秘書ならなおさらである。
(中略)自身のためにも早く出処進退を明らかにされた方がよい」
(平成14年3月、自民党の加藤紘一元幹事長の秘書の脱税容疑について)
「議員の分身といわれている会計責任者の逮捕は、議員本人の責任であり、改めて強く(辞職を)求める」
(同年5月、鈴木宗男衆院議員の秘書の業務妨害容疑での逮捕について)
「私は政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、
しばしば『あれは秘書がやったこと』とうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです。
(中略)秘書が犯した罪は政治家が罰を受けるべきなのです」
(15年7月、土井たか子元衆院議長の秘書による秘書給与流用事件で)
(>>2へ続く)
ソース:http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160424/mca1604240715002-n1.htm
■気づかなかった?
鳩山氏といえば、月額1500万円にも上る実母からの「子ども手当」も「気づかなかった」と言い訳していた。
今回、山尾氏が秘書による不自然なガソリン代支出に「気づかなかった」と述べたのと共通する。
山尾氏の政治資金収支報告書をめぐっても、ガソリン代疑惑以外にもいくつもの問題が指摘されている。
いずれも公職選挙法に抵触する可能性があるが、山尾氏は「手違い」「事実を知りながら嘘をついたことはない」で済ませた。
これも鳩山氏の手法に似ている。
他者への攻撃が必ずわが身に返ってくるというブーメラン投げの妙技は、
民主党から民進党へと衣替えしてもDNAに脈々と受け継がれているようだ。
■身内に甘い体質
そして、この山尾氏の記者会見について岡田克也代表はこう称賛している。
「かなり明確に説明された」
「しっかりと対応された」
「相当きちんとお答えになっていた」
つまり、党として山尾氏の対応に「これでよい」とお墨付きを与えた形だ。
鳩山政権の民主党時代から、他罰的で身内に甘い体質は何も変わっていない。
こんな姿勢で甘利氏の証人喚問を要求しても、迫力も本気も伝わってこない。
せっかく新党名で再スタートをした民進党に望みたい。
どうか、国民の大きな失望を招いた民主党とは、ひと味違うというところを見せてほしい。
もし本当にそんな部分があるとしたならば、だが。
(以上)
これで変化あると 思てるほうが 不思議