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ロシアのプロパガンダを発信してしまう日本の「専門家」たち
平野 高志(ひらの・たかし)
ウクルインフォルム通信(ウクライナ)編集者(平野 高志:ウクライナ・ウクルインフォルム通信編集者)
2021年秋から、ロシアがウクライナ周辺に兵力を集結させており、すわ更なる侵攻か、と欧米とロシアの間で冷戦集結以降最大の緊張が生じている。これにあわせて、日本語空間でも様々な解説記事が現れているのだが、その中には、事実に基づかない偽情報や誤情報も少なくない。
今回筆者が紹介したいのは、2014年以降、ウクライナへの侵攻、領土占領を続けるロシアが、国際社会の情勢理解や決定を誤らせることを目的に発信している「偽情報(プロパガンダ)」である。
ロシアは、2014年のウクライナ侵攻以降、ロシア・ウクライナ情勢に関して、根幹部分に誤りがあり、それを知りながら読み手・聞き手を騙すために伝える「偽情報」を積極的に発信している(厳密には政府発信のものは「プロパガンダ」であるが、ここでは「偽情報」で統一する)。ロシアは特に英語空間で極めて活発に偽情報を拡散しているが、一方で日本では日本語がフィルターとなっており、偽情報の量は英語空間より少ない。
なお、ロシア発の偽情報が日本語空間に入ってくる際のチャンネルは以下の3つに大別できる。
(1)ロシア大使館がSNSアカウントを通じて発信する公式チャンネル
(2)「スプートニク」や「ロシア・ビヨンド」といったロシア国営メディアによる半公式チャンネル
(3)ロシア発の情報を用いて日本語で発信する日本人専門家による間接的発信その中で日本における特徴は、(3)の専門家の情報発信の中に紛れ込むロシア発偽情報が特に多いことである。例えば、現在の緊迫するロシア・ウクライナ情勢に関しても、ロシア大使館やスプートニクはそれほど活発に偽情報を発信していないのに対し、(3)の専門家の情報発信に見られるロシア発偽情報は過去2カ月で急増している。
そもそも、ロシア語を理解し、ロシア発の情報を日本で伝えられる人は、日本のメディアでは「ロシア専門家」として重宝されがちであるが、問題はその専門家がしばしばロシア政権が拡散する偽情報を検証せずに日本社会に伝えてしまうことにある。しかも、その情報の真偽検証ができる人が日本にはまだ少ないために、ロシア発偽情報がそのまま日本の読者に伝わり、その結果、ロシア政権が望む対日世論操作が実現する余地が生じてしまっているのだ。
以下では、そうした専門家たちが日本で広めている偽情報について、どのような点が誤りであるかを検証してみたい。
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管理人ネットの反応名無しまさか、わざとやってるんじゃないだろうね?
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